大判例

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東京高等裁判所 昭和44年(行コ)45号 判決

(一) 旧法人税法第九条第八項(昭和三四年法律一九六号による改正後のもの)を根拠に同法施行規則第一〇条の三第六項第三号第一〇条の四をもつて前記支給額を損金に算入しないと定め、実質的には法律の規定と異なる結果を招来する定めをするのは、租税法律主義の原則に照らし許されないと解するのが相当である。けだし、租税法律主義の原則にかんがみると、法律はその規定自体から委任の目的・内容・程度等が明らかにされている場合にかぎり命令に委任することが許されると解すべきであつて、旧法人税法第九条第八項のように損金への算入不算入という法人所得計算の基本に関する事項を法律で抽象的・白紙委任的に命令に委任するのは、委任の限度を著しく逸脱するものであり、このような委任を根拠として命令がなされても、それは違法であつて効力を生じないと解すべきだからである。よつて、旧法人税法施行規則の前記条項が有効であることを前提とする控訴人(附帯被控訴人)の主張は失当である。

(二) 法人税法第三五条第五項記載の社長・理事長は同条同項が政令で定めることを委任した役員を例示するために表示されたものと解するのが相当であつて、前記条項の文理解釈からも附帯控訴人主張のように(編注 社長・理事長のほか法人の代表機関たる地位にある者を政令に委任して除く趣旨であると)解しなければならない合理的理由はない。

(久利 三和田 栗山)

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